NavyTern’s blog

思考の試行。

かつて勇者だった者へ

大人になると、ズルや誤魔化しを覚えて、立ち向かうべき色々なことから、知らない内に逃げようとしてしまう。 でも、本当は誰もが、かつては立っていたはずだ。 ズルも誤魔化しも効かない、全力で体当たりしなければ超えられない壁の前に。何度もぶつかって…

花の都でのたうちまわる

色々なことがあって、色々なことをして、いまここにいて、きっとこれからも色々あるのだろう。はっきりと人生をつかめないまま、短期的にこうだと思った道に進んできたけれど、まさか自分が花の都をキックボードで疾走することになるとは思わなかった。 同じ…

秋、そして僕は家族を持つ

前回の記事から、ずいぶんと時間が経ってしまった。 前回異動した部署で、僕はまだ働いている。冗談抜きで忙しい部署だ。作業としてこなしてしまえば、片づけることはできるのだけど。 色々なことがあった。色々なことを考えた。会社の上から下まで、ずいぶ…

意識高い系になり損ねた話

「とうとう」というか「まんまと」というか、僕は社会人5年目を迎えた。 異端児と言われて半年、僕は再びの異動を命ぜられた。 異動した先は、入社1,2年目の頃に行きたいと言っていた部署で、学生の頃の経験がもろに活用できる仕事内容だった。 恐らく、端…

異端児と呼ばれて

先輩が一人辞める。 女性だけどさっぱりした性格で、なんでも話せる先輩だった。僕が会社の中でおかしいと思ってることや、人間関係のあれこれとか、よく聞いてくれたし、自分の意見もしっかり持っている人だった。 たぶん、普通に考えたらちょっと「変な人…

飛ぶ思考と昔話

久々に文章を書く。 文章を読むことは細々と続けていたけれど、書くのは本当に久しぶりになってしまった。ぼんやりと様々なことを考えてはいたけれど、どれも単なる妄想にさえならないような、霧散した思考であった。 最近、ようやく又吉直樹の「火花」を読…

美しいもの

衝動的に何かを書きたいと思う。 きっと、昨日読み終わった「細雪」の影響なのだ。 年末年始にテレビで見たドナルド・キーンのドキュメンタリー。その中で彼は「谷崎先生は本当に美しい日本語を書かれます」とコメントしていた。 美しい日本語とはどんなもの…

小さな自分

何を探しているんだろう。何を夢見ているんだろう。確固とした、何かこう、今までよりどころとしていたものが、靄のように空気に溶けて消えてしまったような、そんな気分でいる。 目の前に起きることは、なんとかやりすごしてきたはずだ。上手ではないにしろ…

六指針

・迅速を旨とせよ ・行動でのみ語れ ・下を見ない ・常に明瞭たれ ・善意を信じよ ・足元を疎かにするべからず

たわけた大人に、僕はなった。

●やりたいことなんてなかった いつから雪が降ってもワクワクしなくなってしまったのだろう。電車が止まるな、客足が減って売上に響くな、帰りが遅くなりそうだな。反射的にそんなことばかり考えるようになってしまった。 僕は、大人になった。曲がりなりにも…

誰もが野を行く

未だ見ぬその樹は、何千年もそこに立ち続けているという。何を拒むでなく、何を受け入れるでなく、ただ存在し続けている。人間から考えたら、途方もない時間を確かにその身に刻んで、彼は何を見て、何を考えてきたのだろう。こんな、知る術のない妄想は、一…

資質と努力と風の音

走るというのは、どこまでも内省的な行為だ。 腿は上がっているか、腕をどこまで振れているか、呼吸のリズムはきちんと整っているか、体中の筋肉が発したエネルギーが地面に伝わり、自分を前へと押し出していく。速度が速ければ速いほど、思考を止め、感覚を…

空っぽに響く青さの話

色んなことを考える、と言っても、それは空想のようで、妄想に過ぎず、もう既に知っていることをまるで今初めて気づいたかのように、思考をなぞっていく作業だ。 社会人になって三年目になった。もう下っ端ではなく、かと言って責任を問われるような立場でも…

装い新たに。

ブログの引っ越しを致しました。 最近はまとまって何かを考えたり、書き起こしたりということがなかなかできず、正直もうやめようと思っていました。いつまでもこんなこと書いてたってしょうがないじゃんか。そう思ってました。 でも、読みたいと言ってくれ…

教えてもらったこと

初めての異動を経験しました。新しい環境でも何とか毎日やっています。先日、旧部署での送別会がありました。新入生として配属されてからの2年間、本当に冗談じゃないくらいのご迷惑とご心配をかけ通しました。ミスばっかりしていたし、ぶん殴られても文句言…

15の君へ

「強くならなければならない」そう信じて生きていた、15の君へ。10年後の私から手紙を届けたい。強さというのは、他人より優秀であることだと信じて疑わなかった君。努力とは、己を追い詰め、ただひたすらに耐久力を身につけることだと思っていた君。それは…

誰のせいでもない

今の環境は自ら選んだもの。今の性格は自ら選んだもの。今、不幸だと思っていることも、運がなかったと思っていることも、何かに腹を立てることも、その怒りという感情さえ自ら選んだものである。夢は見ているときが一番楽しい。可能性を抱いて眠っていれば…

うまくまとまらない話

眼の手術関係の話を書いてから、なんとなく自分の考えを書くことが憚れるようになってしまって、しばらく遠ざかっていました。また書こうと思います。書くことでまとまることもあるだろうと期待を込めて。色んな事を考える。とりとめもなく、空想と言うべき…

一周すると

常々、勉強しなきゃなと考える。何もしない時間はなんとなく罪悪感を感じる。でも、そういうぐずぐずした状態が嫌になってきて、新しいこととか、やりたいと思ってるのに勇気が出なくてできないでいることとか、そういうことがとても輝いて見えてくる。その…

私とは誰か(「老師と少年」を読んで)

じっとしていろと言われると退屈なもので、その辺にある本を適当に読み漁ったりしております。 今日は、久々にがっつり青臭い哲学の本を読んだので、考えたことを記録。 この本は「私とは誰か。死とは何か。」という問いを抱えた少年が、答えを求めて毎夜老…

当たり前のことを当たり前に

時間は残酷なもので、とうとう入社から一年が過ぎてしまい、「新入社員」というピカピカの称号を剥奪されてしまった。そして私の代わりに、そのピカピカの称号を冠した子が入社し、配属先の私の後輩となり、めでたく私は教育担当になってしまった。この一年…

3.11に無力だったこと。でも、忘れないこと。

震災から3年の月日が流れました。日数にして、1095日。あっという間というよりは、いつの間にかという言葉の方がしっくり感じられます。国の一大事、僅かでも何か力になりたい。そう思っていたのに、僕は結局何もできなかった気がします。自分は無力だという…

僕が仕事について一年間で考えたこと

僕の会社では、勤続年数に応じて年に一回長期休暇が取れます。ぺーぺーの僕は最短日数ですが、一人でタイに行き、ダラダラするくらいの時間はもらえました。大きいベッドに嬉しくなっちゃって、一生懸命寝ました。ホテル籠りです。でも海外行けて良かった。…

一人、立つということ

仕事が一年で最も忙しい時期の年末年始もあれよあれよと言う間に過ぎ去って、オートマティックに新しい一年が始まってしまった。なかばランナーズハイのような状態であった僕の脳もだんだんと年明けの浮かれた空気を読み取り、一つ年が終わったのだと理解し…

特に内容はない暗い話

とりあえず何かを書きたい気分というか、そういう頃合いというか、キーボードをパチパチやっていたいのである。今日は休日。ここ一カ月、休みは全部教習所に捧げていたので、なにも予定のない休日というのはなんと時間が余っているのだろうと驚く。パン屋に…

モノクロに驚くということ

モノクロ写真が好きだ。余計な色を排除して、光と影だけみたいな世界を見せる。そこにはいつも驚きや発見がある。ネパールで撮った少女の眼は、今まで会ったどんな人間より強い光を放っていたし、かわいく見えた猫が意外と凶悪な顔をしていると気づくことも…

走れ、走れ。

何かやりたいことがあって、目指した場所があって、そこに向かって走り出して行く青年。走り出した時が一番勢いがあって、思ったより速いスピードで進ものだから、いけるかもって思ってしまう。少し進むと勢いが弱まって来て、進むスピードも落ちてきて、こ…

世界一周をする人に対する疑念

本当のことを言えば、根底には羨望があって、嫉妬があって、諦念がモヤモヤとしているのだ。ただ、最近は交通網やら情報網やら色んなアミアミがインターネットの名の元に発達し、海外旅行どころか世界一周に出かけていく人間が増えたような気がする。前々か…

感じたこと、思い出すもの

先日、会社の同期の誘いで他の業界の人と話す機会があった。彼らの業界は内容的に僕がいる業界とは、ある意味、真逆の業界の人たちで、話も基本的なところからの話題が多かった。当然どうして今の会社に入ろうと思ったか、についても話す訳だけど、自分で自…

結婚する人を見て、たまに思うこと

過去の記事で書いたように、僕には実父というものが欠落している。生後三カ月で家族は終わってしまったから、顔さえ覚えていない。2回だけ写真で見たことはあるけれど、それでその人間を父であると認識することはできなかった。知覚はしたけど。声も知らない…